研究概要 |
今年度の目的は,液滴が広がった状態を想定した1次元モデルを構築し,衝突溶融金属滴(2成分系)の凝固速度,凝固終了時間に及ぼす操作因子の影響を明らかにすることである.また,2次元モデルへの拡張を目指す. 1.拡散現象,各種の過冷現象(熱的過冷,Gibbs-Thomson過冷,組成的過冷,動力学的過冷)を考慮した1次元モデル化を構築した. 2.すず-鉛合金を対象として数値解析した結果,以下のような特徴的な振動現象が確認された.a)過冷状態においてThermal DendriteからSolutal Dendriteへ遷移する過程での振動.b)非過冷状態においてPlanarからDendriteへ遷移する過程での振動.c)熱流が大きく変動することによる振動. 3.操作因子が振動現象に及ぼす影響が明らかとなった. 4.申請者が既に開発した平衡凝固シュミレーションコードに非平衡現象を組み込むための手始めとして,動力学的過冷を考慮した2次元の凝固モデルを構築した.この結果,過冷を伴った衝突液滴の軸対称流動・伝熱の解析が可能となった. 5.上記の軸対称解析コードによって,初期液滴温度が過熱状態にある場合と過冷状態ある場合の凝固現象の相違が明らかとなった.
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