研究概要 |
本研究では,水熱ダイヤモンドアンビルセル(HDAC)を用いた高温高圧水熱合成の相挙動観察する場合の圧力制御性を向上させる装置改良とその実験装置製作,さらに製作した装置を用いたAIOOH等を試料とした水熱合成反応のその場観察、そのデータ解析による反応機構に関する情報を収集し、連続反応装置での研究結果との照合による反応・粒子形成機構の解明を行うことを目的とした。 初年度の平成12年度は,圧力制御機構について検討した.一般に,HDACでは圧力プローブをセル内に導入し,その分光スペクトル等から圧力を計測していたが,HDACの加圧に使用しているスクリュウ内部に印加された圧力をFabry-Perot効果を利用して計測する光ファイバー型歪ゲージセンサーを採用した。実際に,約φ0.35mmの光ファイバー型歪ゲージをBassett提案のHDACに組込み,歪と力を測定し,センサーでの加重と断面積から圧力の検量線を作成した.その結果,測定分解能はスクリュウの伸長の計測精度で規定されることが分かった.例えば,2GPaの圧力かけるとスクリュウが300nm伸長する.しかし、スクリュウ内部での温度にセンサー出力が依存すること,またセンサーの応答性に履歴が見られる,すなわち加圧時に比較して減圧時の応答時間が100倍程度であることが判明しており,これらの点の改良を現在行っているところである.
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