研究課題/領域番号 |
12650745
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松本 繁 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005456)
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研究分担者 |
小尾 秀志 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60271863)
吉田 雅俊 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (30230759)
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キーワード | プロセス制御 / 非線形 / ロバスト制御 / 反応器 |
研究概要 |
エチレンオキサイドを生産する現有の触媒充填層反応器(長さ90cm、直径2.5cm)に新しく購入したマスフローコントローラを設置して原料濃度の制御ができるように改良した。また、現有のプロセスガスクロマトグラフにてオンラインで生成物濃度が測定できるようにした。そして、触媒を調整して反応器に仕込み、本プロセスの反応速度を同定した。本反応系はエチレンオキサイドが生成する反応と、二酸化炭素が生成する副反応が併発して起きる。反応器出口で、エチレンオキサイドと二酸化炭素の濃度を測定することでこれらの反応速度を同定した。 次に反応器の動的挙動を表す物理モデルを、反応器の物質収支とエネルギー収支をもとに構築した。このモデルには上記の反応速度を取り入れた。構築したモデルを用いてシミュレーションを行った結果、反応器入り口付近でHot spotが生じる事が確認された。実際の実験装置で反応を行った場合においても、反応器入り日付近でHot spotが生じ、シミュレーション結果は実プロセスの挙動をある程度予測できることがわかった。さらに、シミュレーションによりエチレン、酸素、エチレンオキサイド、二酸化炭素の4成分の濃度分布を求めたところ、実験結果とは異なる結果となった。このことから、更なる精度の高い反応速度の同定が必要となることが確認された。 13年度以降においては、導出した物理モデルを用いて、反応器の温度分布制御を試み、反応器内部のHot spotを抑制し、触媒の劣化を防ぐ制御の実現をめざす。さらに、物理モデルを基に、反応プロセス内部の温度分布や濃度分布をオンラインで推定できるシステムの開発を行う。
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