超臨界CO_2による超微細発泡(ウルトラマイクロセルラー)の創製

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12650751
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 大嶋 正裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (60185254)
• 研究分担者: 車田 研一 京都大学, 工学研究科, 助手 (80273473) ; 谷垣 昌敬 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (30027148)
• キーワード: 発泡成形 / 超臨界二酸化炭素 / 微細構造 / 高分子成形加工 / ポリオレフィン / マイクロセルラー / 気泡 / 核生成

研究概要

本年度の研究は、二酸化炭素を使って、高分子を微細に発泡させる物理発泡のメカニズムを、サファイアガラスを装備した高圧セルを用いた可視化実験により解明し、1μm以下の気泡径をもつより微細な気泡構造を高分子固体中に創製することを目指した。
ポリプロピレンをはじめとするポリオレフィン系高分子を使い発泡可視化実験を行った結果、微細化の基本的な原理として、気泡核の発生を増調し、気泡成長を抑制することであることを明確にし、そのためには、高分子へのCO_2の溶解度を上げること、界面張力を低下させること、CO_2の高分子中への拡散係数を低下させることにより制御可能であることがわかった。それらの知見を生かし、ZONEXやARTONと呼ばれる透明な環状ポリオレフィンを極低温で、CO_2を含浸させ発泡させることにより、平均0.6μmの直径の気泡構造からなる、透明な発泡体をうることができた。