研究課題/領域番号 |
12650752
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岸本 通雅 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00144436)
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研究分担者 |
大政 健史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00252586)
片倉 啓雄 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50263207)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | ファジィ制御 / 酵母 / インシュリン / アルコール醗酵 / チューニング / 二次元電気泳動 |
研究概要 |
本研究の目的はインシュリン生産に適したファジィ制御法を検討し、我が国における醗酵技術を取り入れ、競争力のあるインシュリン生産方式を確立することにある。インシュリン生産はほとんど海外に頼っており、現在はノボ社の酵母を用いた生産方法が主流である。しかし一般に酵母はアルコールを生産するなど此を用いた遺伝子組換え産物の生産は、かなりの技術的困難が想定される。そのため酵母を用いた培養をおこない、培養実験データを蓄積し、その結果に基づいてファジィ制御アルゴリズムおよびそれに基づくオンライン制御システムを作成した。 このオンライン制御システムが酵母の培養に有効に働くことを確認するため、試験的にアルコール生産にこのファジィ制御システムが有効に働くかを検討した。その結果アルコールを短時間で高密度生産できる糖の流加が成功し、これまで清酒醸造などで試みられてきたファジィ制御に比べて比較的簡単なルールで酵母の培養に適用できることがわかった。またファジィ制御の大きな問題として、これまでメンバーシップ関数のチューニング方法がいろいろと考案されてきたが決め手がなく、ほとんど手動でおこなっているのが現状であった。この問題を解決すべく、ファジィ推論結果が最適操作条件と異なる場合の原因となっている、プロダクションルールとメンバーシッブ関数を抽出するプログラムを作成し、その結果に基づいて、メンバーシップ関数のチューニングやプロダクションルールの修正を自動的におこなうプログラムを試験的に作成した。しかしその結果は当初思ったほど効果が得られないことがわかった。なぜならチューニングや修正はその時点の制御はうまくいくが、別の局面でかえって最適操作条件からの誤差を広げてしまう場合も生じてきたからである。此についてはチューニング方法は遺伝的アルゴリズムやニューラルネットワークの導入を検討している。さらに菌体内部の反応を見て、生化学的視点からファジィ制御を改善する方法を、試みるため、二次元電気泳動マップから生体内反応の状況を観察する方法を検討した。
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