研究課題/領域番号 |
12650763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30313000)
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研究分担者 |
大友 順一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 寄付講座教員 (90322065)
温 慶茹 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70312999)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 燃料電池 / メタン / メタノール / 改質反応 / 炭素析出 / ラマン分光 / 電極触媒被毒 |
研究概要 |
・メタン直接利用型燃料電池の電極触媒活性の検討 炭化水素が直接利用可能な固体酸化物型燃料電池の開発を目指し、イットリア安定化ジルコニア(Zr_<0.84>Y_<0.16>O_<1.92>、以下YSZと記す)およびスカンジア安定化ジルコニア(S_<CO.84>Y_<0.16>O_<1.92>、以下S_<G>SZと記す)をニッケルと混合焼結した電極触媒(Ni-YSZ, Ni-S_CSZ)のメタン改質反応および炭素析出反応の観測を行った。Ni-YSZとNi-S_CSZのメタン改質反応速度を質量分析計により測定したところ、両者に大きな差は見られなかった。一方、メタンの熱分解によって生じる析出炭素量はNi-S_CSZの方が多かった。ラマン分光測定により、Ni-S_CSZには主にグラファイト状の炭素が析出するのに対して、Ni-YSZにおいては、アモルファス炭素とグラファイト炭素の両者が析出することが明らかとなった。この結果は、Niの酸化物表面における形状の違いであると考えられ、Niと酸化物の固溶反応の制御が重要であることを示す。 ・メタノール直接利用型燃料電池の電極触媒開発 メタノールを燃料とした燃料電池の場合、メタノールの分解過程で生成するCOによって電極触媒である白金が被毒され、効率が低下することが大きな問題となっている。本研究では、COに耐性を有し高活性な電極触媒の開発を行った.これまでのところPtにチタニアもしくはヘテロポリ酸を添加することにより、メタノールの酸化反応の促進が確認された。直流過電圧測定と交流インピーダンス測定等の電気化学測定、およびXPS等の分光測定によりメタノール酸化促進効果の機構について検討した。チタニアの場合、チタニアの添加によりPtの電子状態が変化し、COの吸着緩和が促進される機構を提案した。ヘテロポリ酸の場合は、ヘテロポリ酸自身のメタノールやCOの酸化反応に対する触媒効果ではなく、ヘテロポリ酸の添加によるプロトン伝導率の向上が原因であると推察された。
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