研究概要 |
本研究は,ゾルーゲル法と凍結乾燥を用いてレゾルシノールとホルムアルデヒドから特異なメソ細孔特性を有する種々のカーボンクライオゲルを作製するとともに,その細孔制御法を提示したものである。得られた主な成果は次のとおりである。 1.レゾルシノール・ホルムアルデヒド(RF)水溶液のゲル化過程を光散乱実験およびポピュレーションバランスに基づいた計算機実験によって検討し,RF水溶液の触媒濃度がゲル化過程における構造形成を支配する主要因子であることを見出した。 2.凍結乾燥を利用して,超臨界乾燥を用いて作製されるカーボンエアロゲルに匹敵する優れたメソ細孔特性を有するカーボンクライオゲルの作製に成功した。 3.原料溶液の組成がカーボンクライオゲルのメソ細孔特性に及ぼす影響を検討し,RF水溶液の触媒濃度とカーボンクライオゲルのメソ細孔特性との高い相関性を見出した。その結果,触媒濃度を変えることによるカーボンクライオゲルのメソ細孔特性の制御に成功した。 4.逆相乳化重合を用いてRF湿潤ゲル微粒子を合成し,それを凍結乾燥,さらに炭化することでカーボンクライオゲル微粒子の創製に成功した。得られた微粒子はメソポーラスな内部構造と緻密な表面層から形成される二重構造を有することを見出し,乳化重合の温度や炭化温度を変えることで表面層の細孔径が制御可能であることを実証した。また、メソポーラスなカーボンクライオゲル微粒子をHPLC用カラム充填剤として利用できる可能性を示した。
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