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2001 年度 実績報告書

高分子分解触媒の開発とプラスチックリサイクル及び水素製造への応用

研究課題

研究課題/領域番号 12650772
研究機関室蘭工業大学

研究代表者

上道 芳夫  室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (90168659)

キーワードプラスチック / リサイクル / 分解 / 水素 / 低級オレフィン / Ga / FSM-16 / ホウ素シリケート
研究概要

循環型経済社会システムの構築に寄与するプラスチックリサイクル技術の確立を目的として、ポリオレフィンから水素および低級オレフィンを選択的に回収することが可能な新規高分子分解触媒の開発について検討し、以下のことを明らかにした。
1.ゼオライト、メソポーラスシリカ、活性炭に金属(Ga、Zn、Ni)を担持した触媒の中で、水素生成に最も高活性な触媒はGa/FSM-16であり、525℃でポリエチレンに含まれる水素の28-38%を水素ガスとして回収することができた。また、メタンなどの共存炭化水素の生成は少なく、ガス生成物中の水素濃度は約85vol%に達し、水素の分離精製は容易であると考えられる。水素は芳香族炭化水素を生成する脱水素環化過程で発生するが、分子状で脱離する場合とオレフィンに付加する場合があることがわかった。弱酸性のGa/FSM-16上ではオレフィンの水素化は起こりにくく、結果的には水素ガス収率は高くなることが明らかになった。Ga/HZSM-5は芳香族・水素併産型の触媒であるが、芳香族化に伴って発生する水素原子のかなりの部分が水素化に使われるため、水素収率は最大で約25%であった。Ga/FSM-16はポリプロピレンの分解のも高活性であったが、水素収率はポリエチレンの場合よりも幾分低い値であった。
2.Ga触媒とは全く異なり、低級オレフィンを選択性に生成するホウ素系触媒について検討したところ、ホウ素シリケートが最も高活性であった。この触媒上ではポリエチレン、ポリプロピレンの分解において同組成の生成物が得られた。
以上のような新規Gaおよびホウ素系触媒の開発によって、ポリオレフィンから石油化学原料、クリーンエネルギー水素を任意に回収するプラスチックリサイクルプロセスの構築が可能になってきた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 上道芳夫: "廃プラスチックからの水素の回収"化学工業. 56・10. 786-791 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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