研究概要 |
好アルカリ性バシラス属細菌41M-1株キシラナーゼは,触媒ドメインとキシラン結合ドメイン(XBD)から構成される「好アルカリ性」の酵素である. 41M-1株キシラナーゼの触媒ドメインについて,タンパク質工学的検討を行った.酸性アミノ酸Asp20を中性アミノ酸Asnに置換したところ,反応の至適がアルカリ性(pH9.0)からが中性(pH6.0)へとシフトしたことから,Asp20が本酵素の「好アルカリ性」という性質に重要な役割を果たしていることがわかった. 次に,進化分子工学によるXBDの機能を目的として,XBDのファージディスプレイを試みた.ファージベクターfNE2を用い,繊維状ファージの外殻タンパク質gIIIpのアミノ末端に相当する位置に41M-1株キシラナーゼ遺伝子XBD領域を連結した.この組換えファージDNAを導入した大腸菌より調製した組換えファージは不溶性キシランへの高い結合能を有しており,XBDがファージ表面に正しくディスプレイされていることが示された.
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