研究課題/領域番号 |
12650785
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
塩谷 捨明 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50026259)
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研究分担者 |
永久 圭介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00324806)
清水 浩 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00226250)
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キーワード | エンテロシンA / バクテリオシン / シャトルベクター / Enterococcus faecium / 糖鎖構造 |
研究概要 |
乳酸菌の中には、近縁種に抗菌活性を示すペプチド(バクテリオシン)を生産するものの存在が知られている。我々の研究室では、乳酸菌Enterococcus faecium N15株を糠床より分離しており、それが生産するバクテリオシンはアミラーゼ処理によって失活するので、糖鎖が活性に関与していることが考えられた。また、本菌はバクテリオシン生合成遺伝子entAを有していることがわかっていることから、本研究ではバクテリオシンEntAをN15株において発現・精製し、その解析を行うことを目的とした。 entA遺伝子とその上流部分とを含む断片をPCRにより取得し、大腸菌と乳酸菌とのシャトルベクターに挿入した発現ベクターを構築した。それをN15株にエレクトロポレーションを用いて導入し発現を試みた。発現が検出できなかったことから、乳酸菌で強力に発現することが知られているP32プロモーター下での発現を試みるため、P32プロモーター配列をPCRで増幅し、その下流にentA遺伝子を連結させた。それをシャトルベクターに挿入した強力な発現ベクターを構築後、N15株に導入するべくエレクトロポレーションを行った。一方、修飾されていないEntAタンパク質の特性を調べるため、大腸菌において発現させた。得られたタンパク質について熱耐性、溶液pHを変化させたことによる影響を調べたところ活性を保持しており、N15株から粗精製したエンテロシンと同様な特性を有していたが、α-アミラーゼ処理をしても活性を保持している点においては異なっていた。この結果より、N15株より粗精製しているエンテロシンとentA遺伝子産物とは異なるタンパク質である可能性が考えられた。
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