研究課題/領域番号 |
12650792
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
木野 邦器 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60318764)
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研究分担者 |
宇佐美 昭次 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063508)
桐村 光太郎 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90195412)
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キーワード | グルコース転移酵素 / グルコース縮合酵素 / グルコシダーゼ / 配糖体 / アルブチン / 酵素スクリーニング |
研究概要 |
微生物酵素を用いた有用配糖体の効率的生産系の構築と配糖化による有用物質の物性安定化の検討を実施。マルトースを糖基質としてグルコース転移活性を有する当研究室保有のXanthomonas campestris WU-9701は、抗酸化作用を有するポリフェノール化合物で1分子内に5個の-OH基を有するカテキンに対してもα-アノマー選択的位置特異的にグルコシル化して(+)-catechin 3'-O-α-D-glucopyranoside(α-C-G)のみを生成した。配糖化により呈味性の改善、水に対する溶解性の向上、さらに物性安定化も示された。反応諸条件の検討によりα-C-G合成収率は対カテキン57%に達した。またフェノール性-OH基を有するヒドロキノンに対しても効率的な配糖化能を示した。生成物hydroquinone-O-α-D-glucopyranosideは美白活性を有する化粧品素材として広く使用されているアルブチン(β-グルコシド)の異性体で類似の生理活性が報告されている。凍結乾燥菌体を用いた条件での最適化により、40℃,36hrの反応で42mMのα-アルブチンが生成(対ヒドロキノンモル収率93%)。酵素量を高めることで収量増も可能であったが、ヒドロキノンやα-グルコースが本転移反応を阻害することを明かにしており、今後遺伝子組換え技術を適用した酵素活性の増強や阻害の解除を計画・検討中。 一方、種々の生理活性を有する天然型グルコシドの多くはβ-グルコシドであることに着目し、β-グルコシド生成型グルコース転移酵素やグルコース縮合酵素の探索を開始。Aspergillus niger由来のβ-グルコシダーゼを用いてグルコースとヒドロキノンからのアルブチン合成に成功(対ヒドロキノン収率0.3%)。この反応で二糖生成を確認し、グルコースからセロビオースを経て糖転移活性によりアルブチンが合成されている可能性を示した。グルコースあるいはセロビオースを糖基質としたアルブチン合成活性を有する微生物スクリーニング系を構築した。
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