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2001 年度 実績報告書

導電性高分子電極とイオン伝導型有機薄膜を用いる光二次電池の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12650807
研究機関静岡大学

研究代表者

昆野 昭則  静岡大学, 工学部, 助教授 (50205572)

研究分担者 藤波 達雄  静岡大学, 工学部, 教授 (80022010)
キーワード光二次電池 / 色素増感太陽電池 / 導電性高分子 / イオン伝導型有機薄膜
研究概要

本研究では、太陽電池の光電変換機能と電池のエネルギー貯蔵機能を併せ持つ、光二次電池の開発を目的としている。既に我々は、電子供与体と電子受容体の二層膜に光を照射すると、電位発生・充電状態を数日間保持できる、全く新しいタイプの光二次電池となりうることを報告しているが、現段階では、発生電位、放電電流や蓄えられるエネルギー密度が低い。この問題の解決のためにこれまで、1)フェロセン置換ピロール誘導体の合成と電解重合、2)色素増感太陽電池との組合わせについて検討してきた。
今年度は、特に2)について色素増感太陽電池の性能向上を中心に検討した。
まず、酸化亜鉛一酸化スズ系半導体を用いることにより太陽光エネルギー変換効率約8%を達成し、これまで知られている酸化チタン系半導体(変換効率:約9%)に限らず、高効率の色素色素増感型太陽電池を構築できることを見いだした。さらに粒子径の異なる酸化亜鉛一酸化スズ系が、色素の光励起状態から生じる電荷分離過程を促進し、電荷の再結合を抑制するという結果に基づき、高効率化をもたらすメカニズムを提案した。
一方、色素増感太陽電池固体化の研究の中で、無機型電子供与体層としてヨウ化銅、チオシアン酸銅等のp-型半導体が、安定で効率の良い正孔輸送層として機能することが知られている。この太陽電池には安定性に欠けるという問題があったが、ヨウ化銅溶液にチオシアン酸塩を微量添加することにより、析出する結晶を微細化することができ、安定性も大幅に向上できることを見いだした。
今後は、本研究によりp-型半導体層(電子供与体層)として有効にはたらくことが見いだされているヨウ化銅を中心に、種々の有機薄膜との比較の観点からまとめを行い、さらに効率向上が期待できるハイブリッド化した系について光二次電池への応用を検討する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] G. R. Asoka Kumara: "Suppression of recombinations in a dye-sensitized photoelectrochemical cell made from a film of tin (IV) oxide crystallites coated with a thin layer of aluminium oxide"Journal of Physics D : Applied Physics. 34. 868-873 (2001)

  • [文献書誌] G. R. Asoka Kumara: "Dye-sensitized solar cell with the hole collector p-CuSCN deposited from a solution in n-propyl sulphide"Solar Energy Materials and Solar Cells. 69. 195-199 (2001)

  • [文献書誌] K. Tennakone: "Enhanced Efficiency of a Dye-Sensitized Solar Cell Made from MgO-Coated Nanocrystalline SnO_2"Japanese Journal of Applied Physics. 40・7B. L732-734 (2001)

  • [文献書誌] K. Tennakone: "Dye-Sensitized Solid-State Photovoltaic Cells : Suppression of Electron-Hole Recombination by Deposition of the Dye on a Thin Insulating Film in Contact with a Semiconductor"Journal of Electronic Materials. 30・8. 992-996 (2001)

  • [文献書誌] 昆野 昭則(分担): "色素増感型太陽電池(Gratzel型)の基礎と応用 (担当:第9章 p-型半導体を用いる色素増感型太陽電池の固体化)"技術教育出版. 205 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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