研究課題/領域番号 |
12650817
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
山元 明 東京工科大学, 工学部, 教授 (00247298)
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研究分担者 |
岡本 慎二 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創生科学科, 助手 (50324976)
三田 陽 東京工科大学, 工学部, 教授 (20200040)
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キーワード | 無水銀蛍光ランプ / 真空紫外線 / 蛍光体 / quantum cutting / エネルギー伝達 / SrTiO_3 / 不純物添加 / 結晶性改善 |
研究概要 |
無水銀蛍光ランプとして、Xeガスの放電により生じる波長172nmの真空紫外線を可視光に変換する方式に注目し、このための高効率蛍光体開発を行っている。蛍光体材料には信頼性の高い酸化物を選ぶ事とし、以下の2つのアプローチを検討した。 (1)希土類イオンの強い吸収帯により172nm光を吸収させ、希土類イオンのエネルギー準位を利用して、1個の入射フォトンに対し2個の可視光フォトンが放出される過程(quantum cutting)が可能な材料を設計する。このための準備として、YPO_4などリン酸塩中の一連の希土類イオンについて、許容遷移(4f→5d遷移または電荷移動遷移)のエネルギーを調べた。その結果波長172nmに合致する励起帯を持つイオンとしてTm^<3+>,Dy^<3+>を選んだ。次いで紫外発光を示すGd^<3+>を中継したquantum cuttingを検討した。その結果Tm^<3+>からGd^<3+>へ、またGd^<3+>からDy^<3+>へのエネルギー伝達が起こる事を見出した。しかし、エネルギー準位による制約のため、この系ではquantum cuttingを起こすことは困難と判断した。 (2)172nm光(フォトン・エネルギー7.2eV)照射による2次電子生成により、量子効率が1を越す発光が可能と考えた。このために、約3.3eVのバンドギャップを有するSrTiO_3などを母体として選び、これらにドープした希土類イオンの励起スペクトル測定を行った。効率向上のために、Alなどの不純物添加による母体の結晶性改善を行い、SrTiO_3中の格子欠陥の種類を明らかにした。
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