研究概要 |
平成12年度は1)バナジウム2置換ランタンタングステン系へテロポリ酸の合成法の確立、2)(Si_2O)基置換へテロポリ酸の合成とその含水TiO_2への固定化法の確立をほぼ終えて、次年度に向けての1)と2)の組み合わせによる標題の"光電子触媒素子の作製への基礎固めは出来た要に考えている。次に、3)本ランタンタングステン系へテロポリ酸(LnW_<10>O^<9->_<36>;LnW10)の光触媒素子への展開の予備実験として、2-プロパノールに対するNdW10の水溶液系での光触媒酸化活性の検討をした:(1)LnW10は過酸化水素と反応して、安定で且つ選択酸化触媒の活性種としてユニークな作用を有するパーオキソ錯合体を生成するが、この錯体にキレート剤EDTAを作用させて、2個のWO_6グループを抜き取り、その欠損分にVO4グループを置換する事に成功した。(2)TPOS[Si(OC_2H_5)_4]と"欠損ケギン"構造を有するリンタングステン系へテロポリ酸(PW9)の反応により(Si2O)-PW9を合成した。これに含水TiO_2を作用させて熱処理をし、TiO_2上に強固に分散固定化した(Si2O)PW9/TiO_2を得た。(3)上記光触媒反応系に対し、ケギン型HPA、PW12は一定の活性を示すが、NdW10は不活性である。だだし、この系に遷移金属特に、Pd(II),Cu(II)イオンを添加すると著しい光触媒酸化活性が発現した。 次年度は、(1)と(2)を組み合わせ、さらに薄膜化、素子化法を確立して当初の目的に沿って、光触媒機能を明らかにする。
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