研究概要 |
シリカ源として粉末ケイ酸ソーダに硝酸アルミニウムを添加し、Al含有カネマイトの合成を試みた。この時Si/Al比を100、50、20、10,5、2.5と変化させた。Si/Al比が100、50、20、10の試料については、カネマイト固有の層状構造の保持が粉末X線回折にて確認され、さらに^<27>Al-MAS-NMRの測定により添加したAlは4配位であることを確認した。一方Al含量の多いSi/Al比が5、2.5の試料では層状構造が崩壊した。これらの試料について層間へのピラーリングを行うために、カネマイト層間のナトリウムイオンをジアルキルアンモニウムイオンでイオン交換し、層間の拡大をはかった。Al含有カネマイトもカネマイトと同様にイオン交換により層間の拡大を達成することができた。試料の調製にあたって、従来のろ過法では洗浄-固液分離が難しい試料については、遠心分離器(新規購入)の使用により調製が可能となった。ジアルキルアンモニウムイオンで層間の拡大をはかった試料をテトラエチルシランとの反応によってシリカのピラーリングを行った後、ジアルキルアンモニウムイオンを焼成により除去した。これらの試料に対して、窒素吸着等温線の測定を行った結果、比表面積600-1000m^2/g、細孔径1.4-1.5nmの多孔材料を得ることができた。さらに、触媒活性サイトを検討するために、ピリジン吸着のIRスペクトル、n-ブチルアミンによる昇温脱離スペクトル(新規購入:データ収集ユニット使用)から検討した結果、試料表面にBrφnsted、Lewis酸点の存在が確認された。表面活性サイト検討において分子ターボポンプ(新規購入)の使用により、清浄な表面について検討が可能となった。今後、触媒反応生成物の同定(GC、新規購入:変換器使用)を行う予定である。
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