研究課題/領域番号 |
12650841
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 保 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (30163273)
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研究分担者 |
KOTORA Martin 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (60281846)
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キーワード | アセチレン / ジルコナシクロペンタジエン / ジルコナシクロペンテン / ジルコナシクロペンタン / スタナサイクル |
研究概要 |
2分子のアセチレンとジルコノセン化合物から容易に合成できるジルコナシクロペンタジエンは、合成中間体として利用価値が高い。特に2つの異なるアセチレン類を用いたときには、非対称なジルコナシクロペンタジエンとなり、種々の任意の置換基を導入することが出来る。本研究では、このように簡便に合成できるジルコナサイクルから、スズ化合物へ変換する方法を開拓した。まず、はじめにジルコナシクロペンタジエン、ジルコナシクロペンテン、ジルコナシクロペンタンから、スタナサイクル化合物への変換を行った。ジルコナシクロペンタジエンは、ジフェニルジクロロスタナンを反応させると、12時間で81%の収率でジフェニルスタナサイクルを得たが、ビシクロジルコナサイクルのような双環化合物になると、スタナサイクルは45%程度しか得られなかった。これに塩化銅を添加すると反応速度は速くなり、また収率向上も見られた。すなわち、反応時間は1時間で十分であり、スタナシクロペンタンが98%という高収率で得られた。この傾向はジルコナシクロペンタンで顕著に現れた。ジルコナシクロペンテンにジフェニルスズジクロリドを反応させて、48時間経っても、スタナサイクルは得られなかったが、銅塩を添加するとスタナシクロペンテンが3時間で99%とほぼ完璧な反応となった。ジルコナシクロペンタジエンでも銅塩が存在しないとほとんど反応しない。例えば、テトラエチルスタナジルコナシクロペンタジエンでは、ジエン部分をもったスタナサイクルであるスタナシクロペンタジエンは全く得られないのに対して、塩化銅存在下、ジルコナシクロペンタジエンとジメチルスズジクロリドと反応させると、反応時間が1時間で87%の収率でジメチルスタナシクロペンタジエンを得ることと見い出した。
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