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2001 年度 実績報告書

ジルコナサイクルを利用した多置換共役ジエニルスズ化合物の合成と応用

研究課題

研究課題/領域番号 12650841
研究機関北海道大学

研究代表者

高橋 保  北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (30163273)

キーワードスズ / ジルコニウム / ジエニルスズ / ジルコナシクロペンタジエン / アセチレン / カップリング / 非対称ジエン
研究概要

2分子のアセチレン類から容易に合成できるジルコナサイクルはNCSやNBS、ヨウ素などのハロゲン化試薬と反応させるとジルコニウム-炭素結合が選択的に開裂することが知られている。われわれはこのハロゲン化の次に、もう1つのジルコニウム-炭素結合を親電子剤である塩化トリアルキルスズと反応させるとジエニルスズ化合物が得られるのではないかと考えた。更に考慮を加えスズ化合物を加えた後、塩化銅を加えることで望む反応が進行することを見出した。はじめにテトラエチルジルコナシクロペンタジエンにNCSを加えて塩素化し、銅塩存在下クロロトリブチルスズを反応させると77%で期待する生成物を与えた。同様にして、4-ブロモ-1-スタニルブタジエン誘導体70〜75%の単離収率で得られた。
我々は最近いくつかの選択的非対称ジルコナシクロペンタジエンの形成を展開した。アルキル、アリール基で置換された非対称ジルコナシクロペンタジエンは置換基選択的ハロゲン化が可能であることを見出した。通常、はじめのクロロ化、ブロモ化はアルキル基の置換したsp^2炭素で起こるのに対し、アリール基の置換したsp^2炭素もしくはアリール基の一部であるsp^2炭素は、NCSやNBSなどとは反応しない。このときにヨウ素を用いるとモノヨウ素化体は得られず、ジヨウ素化体が生成する。ジルコニウム-ベンザイン錯体とアルキンから調製できるジルコナインデンは67%という高収率、高選択性で生成物を与えた。実験手順としては、系中で調整されたジルコナインデン(1ミリモル)のTHF溶液に25℃でN-クロロコハク酸イミド(1ミリモル)を加えた。そのまま25℃で3時間攪拌の後、反応溶液を-78℃に冷却した。トリブチルスズ(1ミリモル)つづいて塩化銅(1ミリモル)を反応溶液に加え25℃にまで昇温した。反応は25℃、一時間で完結し、ジエニルスズ化合物は67%(ガスクロ収率)で得られた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Takahashi: "Preparation of benzoheterocycles containing group 14 elements using zirconacyclopentadienes"Heterocycles 2001,54,943-955. 54. 943-955 (2001)

  • [文献書誌] T.Takahashi: "Cyclopentenone Formation from Trisubstituted Alkenes, Alkynes, and Isocyanates"Organometallics. 20. 595-597 (2001)

  • [文献書誌] T.Takahashi: "Formation of Ethylene-bridged Bimetallic Zirconocene Complexes by Coupling of Cp2ZrEt2 and Cp2ZrX2(X=Cl or Br)"Chem.Lett.. 356-357 (2001)

  • [文献書誌] T.Takahashi: "Reaction of Zirconacyclopentadienes with CO and Isonitriles"Organometallics. 20. 4122-4125 (2001)

  • [文献書誌] T.Takahashi: "Reaction of a Double Bond of Zirconacyclopentadienes : Formation of 1,2,3,5-Tetrasubstituted Benzenes via the C-C Bond cleavage"J.Am.Chem.Soc.. 124. 388-389 (2002)

  • [文献書誌] T.Takahashi: "Coupling Reaction of Zirconacyclopentadienes with Dihalonaphthalenes and Dihalopyridines : A New Procedure for the Preparation of Substituted Anthracenes, Quinolines, and Isoquinolines"J.Am.Chem.Soc.. 124. 576-582 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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