• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

可視光照射固相反応法による生理活性物質の系統的合成系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 12650846
研究機関東京農工大学

研究代表者

千葉 一裕  東京農工大学, 農学部, 助教授 (20227325)

研究分担者 北野 克和  東京農工大学, 農学部, 助手 (10302910)
キーワードコンビナトリアルケミストリー / 合成ライブラリー / 固相合成 / 光誘起電子移動 / ベンジルスルフィド / 液相合成 / 二相溶液 / 熱特性
研究概要

優れたコンビナトリアル、ハイスループット合成法を確立することは、新規医薬品候補物質の探索や、一般的な化学合成反応の効率化においても非常に重要な課題となっている。これまでに、固相法、可溶性固相担体法などが開発されている。本研究では、固相法の概念を液相合成に導入した、あらたな反応システムを構築することにより、従来法を遥かに凌ぐ、高い効率性や、光化学反応への応用を可能にできると考えた。この目的のために、新たに、僅かな温度の変化によって、'混合有機溶媒が完全に二相に分離した状態から、均一状態を繰返す有機溶媒組成物を探索した。その結果、上層にシクロヘキサン、下層にDMF, DMA、アセトニトリル、ニトロメタンなどの非プロトン性極性有機溶媒を用いると、下層有機溶媒の混合比率に応じて、約15℃から70℃の範囲で、自由に相融合、相分離温度を設定できることがわかった。また、この溶液系には500mM程度の高濃度の塩を溶解することも可能である。さらに、多くの極性または低極性物質を選択的に分配、分離することが可能であることが明らかになった。本溶液システムでは、完全均一状態で種々の化学反応を実施し、その後、冷却によって必要な生成物と不要物質を直ちに分離することができるという、固相合成の考え方を均一溶液内で実現できるという大きな特徴を有する。また、光増感剤も均一に溶解することができるため、固相担体を使った反応系では困難であった、光化学反応-分離精製コンビナトリアルシステムも構築することができた。本法を用いることにより、皮膚癌活性化抑制物質である、ユーグロバールの重要合成中間体の合成にも成功した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yukiko Mizutani, Yasuki Matsumura, Shinya Matsumoto, Kenji Matsui, Kazuhiro Chiba, Tomohiko Mori: "Factors affecting reaction of cucumber root lipoxygenase in phospholipid vesicle dispersions"Colloids and Surfaces B : Biointerfaces. 25. 171-181 (2002)

  • [文献書誌] Kim, S., Hayashi, K., Kitano, Y., Tada, M., Chiba, K.: "Anodic Modification of Proline Derivatives using a Lithium Perchlorate /Nitromethane Electrolyte Solution"Org.Lett.. 4(21). 3735-3737 (2002)

  • [文献書誌] Chiba, K., Kono, Y., Kim, S., Nishimoto, K., Kitano, Y., Tada, M.: "A Liquid-phase peptide synthesis in cyclohexane-based biphasic thermomorphic systems"Chem.Commun.. 1766-1767 (2002)

  • [文献書誌] 千葉一裕: "熱特性を利用した有機溶媒液/液二相系による反応-分離法"日本農薬学会誌. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] M.S.Workentin, F.Maran, K.Chiba: "Organic Electrochemistry"The Electrochemical Society. 162 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi