研究課題/領域番号 |
12650862
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
中平 隆幸 千葉大学, 工学部, 教授 (30009740)
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研究分担者 |
安中 雅彦 千葉大学, 工学部, 助教授 (40282446)
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キーワード | ポリアニリン / ルテニウムトリスビピリジル / アニリンダイマー / ヘクトライト粘土 / インターカレーション / 光酸化重合 / 電導性高分子 / クレイ複合体 |
研究概要 |
今年度は、研究実施計画に沿って、ルテニウムトリスビピリジル錯体(Ru(bpy)_3^<2+>)の光酸化能によるクレイ層間でのアニリン二量体(N-phenyl-ρ-phenylenediamine:PPD)の光重合におけるクレイ層のテンプレート効果ならびに生成ポリアニリンに対するドープ効果を、ポリアニリンの高分子量化と電導性構造安定化に焦点を当て、検討した。すなわち、クレイとして、親水性へクトライト系粘土であるイオナイトH(Na_<2/3>(Mg_<16/3>Li_<2/3>)[Si_4]_2O_<20>(OH)_4・4H_2O;cation exchange capacity(CEC):ca.80meq/100g)を用い、これを蒸留水に分散させることにより透明なクレイコロイド溶液を調製し、pHを調整後にPPDならびにルテニウム錯体を添加、クレイ層間へのルテニウム錯体ならびにプロトン化アニリン二量体(PPD^+)のインターカレーションを紫外可視吸収スペクトル、蛍光スペクトル、蛍光寿命測定により確認した。ついで、励起ルテニウム錯体へのアニリン二量体からの電子移動消光効率の、インターカレーションによる向上をルテニウム錯体からの発光の消光により確認するとともに、生成する還元ルテニウム錯体の溶存酸素による酸化(ルテニウム錯体の再生)を吸収スペクトルより確認し、同錯体が再生され、光触媒としてポリアニリンを生成させることを検証した。生成したポリアニリンが、生成とともに光酸化を受けてベンゾノイド、キノイド構造が混在するemeraldine構造となること、かつ、それがプロトンドープされた電導性ポーラロン、バイポーラロン構造となることを吸収スペクトルから確認し、ついで、その構造が外部pHによらずに安定的に保たれることを確認した。現在、得られたポリアニリン/クレイ複合体を新規電導性高分子/クレイ複合体電導材料としてその有用性を検討中である。
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