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2000 年度 実績報告書

生体分子誘導体の動的自己組織化による刺激・環境応答性分子集合体の構築

研究課題

研究課題/領域番号 12650864
研究機関東京大学

研究代表者

加藤 隆史  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70214377)

研究分担者 蟹江 澄志  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60302767)
キーワード水素結合 / 液晶 / 葉酸 / 自己組織化 / スメクチック / イオンー双極子相互作用 / ディスコチック
研究概要

生体分子の水素結合性は,分子組織体の形成において良いモデルとなる.生体分子である葉酸はビタミンの一種であり,そのアルカリ金属塩は,プテリン環部位が水中で水素結合を介してテトラマーを形成し,リオトロピック液晶性を示す.研究者らは,このような葉酸の自己組織性に注目し,新規水素結合性超分子液晶の開発を行った.まず,葉酸にサーモトロピック液晶性を付与することを目的とし,グルタミン酸部位に3,4-ジアルキルオキシフェネチル基を多段階合成により導入した.得られた化合物のサーモトロピック液晶性を評価したところ,側鎖の長さにより異なる液晶性を示すことがわかった.例えばヘキシル基あるいはウンデシル基を有するものではスメクチック相,オクタデシル基を有するものはディスコチック相を示すことがわかった.IR測定により,このような違いは,葉酸のプテリン部位がリボン状あるいはディスク状と異なる水素結合パターンで集合したためであることがわかった.
ついで,得られた葉酸誘導体の環境応答性材料への展開を目指し,リボン状に集積してスメクチック相を示す葉酸誘導体にアルカリ金属塩を添加し,イオンー双極子相互作用による集合形態変化の誘起を試みた.その結果,葉酸誘導体1モルに対し,ナトリウムトリフラートを0.5モル以上添加した複合体は,広い温度範囲でヘキサゴナルカラムナー相を示すことがわかった.集合形態がリボン状からディスク状へと変化したためである.得られた葉酸誘導体は,イオンという刺激により,集合形態が変化する環境応答性材料となることがわかった.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Kanie,T.Yasuda,S.Ujiie,and T.Kato: "Thermotropic liquid-crystalline folic acid derivatives : Supramolecular discotic and smectic aggregation"Chemical Communications. 2000. 1899-1900 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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