研究課題/領域番号 |
12650874
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
山下 那都樹 近畿大学, 理工学部, 教授 (50088407)
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研究分担者 |
石船 学 近畿大学, 理工学部, 助手 (40268462)
柏村 成史 近畿大学, 理工学部, 助教授 (50152632)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 鋳型重合 / 水素結合 / アクリルアミド / 分子間相互作用 / ポリ(メタクリル酸メチル) / ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / タクティシティー / 下部臨界共溶温度 |
研究概要 |
側鎖にカルボニル基を有する鋳型ポリマーとして、ポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)存在下、アクリルアミド(AAm)の重合が誘発・促進されることを見出した。特に、アニオン重合条件を選択することにより、タクティシティーの定まったPMMAを調製し、これら鋳型ポリマーの立体規則性に基づく鋳型効果について、生成ポリアクリルアミド(PAAm)のトリアド・タクティシティーを、NMRスペクトルにより解析した。シンジオタクティック構造に富むPMMA(rr>73.8%)ならびにアイソタクテイック構造に富むPMMA(mm>98.6%)を用いた場合、重合初期(転化率<10%)においては、それぞれ高いrrあるいはmm率を有するPAAmが得られたが、重合の進行とともに、鋳型効果は不明瞭となった。また、アイソタクティック構造に富むPMMAと比較して、シンジオタクテイック構造に富むPMMAが、重合の誘発効果、立体規則性の転写効果ともに優れていることも明らかとなった。次に、鋳型ポリマ-モノマー間相互作用を強化する目的で、側鎖にアミド基を有するポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAAm)を鋳型ポリマーに用い、AAmの重合を試みたところ、同じく重合の進行が確認され、かつ、PMMAを鋳型とした場合と比較して、鋳型ポリマーの構造転写効果が向上することが明らかとなった。さらに、種々の分子量領域のPNIPAAmを合成し、これらのAAm重合促進効果を調べたところ、分子量依存性は著しく、高分子量化にともなって、AAmの重合性はかえって低下することが判明した。このPNIPAAmを鋳型ポリマーとするAAmの重合系において溶媒効果を精査した結果、水中での重合において非常に興味深い現象が観察された。すなわち、PNIPAAmが持つ下部臨界共溶温度近傍で、重合性の極大点が存在することが明らかとなった。この重合系については、さらに研究を続行中である。
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