エチレン-プロピレン(EP)ランダム共重合体は、コモノマーであるプロピレンの含量(PC)を増加させていくと、結晶性ポリマーからエラストマーへとその性質を変えていく。本研究では、試料にPCが異なる数種のEPランダム共重合体を用いてその1次構造解析をNMRより行い、エチレンが連続してつながる数L(E)を推算した。また、高分子/溶媒間の相互作用パラメーターχを見積もるとともに、ゲルの架橋点を構成するエチレン単位数ζ(E)を推算し、次の結論を得た: (1)試料中にPCが増加していくと、高分子鎖の1次構造長L(E)およびゲル中での高次構造長ζ(E)はともに減少する; (2)χとζ(E)の間には著しい相関性があり、χが大きくなるような溶媒中ではζ(E)も大きくなり、ζ(E)>L(E)となる; (3)χが小さくなるにつれ、ζ(E)【approximately equal】L(E)となり、ゲルの架橋長はエチレン連鎖の1次構造長とほぼ等しくなる; (4)その系がゲルを形成する限り、ζ(E)<L(E)となることはない。
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