航空機等の輸送機の事故時における乗員の保護を目的とした衝撃エネルギー吸収のための緩衝機構として、パイプのスプリット破壊を利用した緩衝材を取り上げその基礎的力学特性を実験と解析から検討した. 本年度実施項目 1.各種条件でのスプリット圧壊試験 (1).材質による影響 純アルミ1050、アルミ合金6063 (2).板厚の影響 (3).子亀裂導入による最適スプリット数探索試験 (4).導入溝底深さ試験 2.数値シミュレーションによる検討および解析による圧壊荷重の予測 得られた主な結果 1.材質、寸法により安定して亀裂が進展する最適スプリット数が存在する. 2.その最適スプリット数近傍で圧壊荷重は最小となる. 3.破壊に要するエネルギーを主として亀裂を進展させるためのものと、帯板を曲げ変形させるためのものからなるものとして圧壊荷重の予測式を導出することができた.またその予測式によれば荷重が最小となるスプリット数もある程度予測可能でとなった. これらによりパイプのスプリット破壊を利用した緩衝機構の設計指針を得た.
|