研究概要 |
目的:資源開発現場における一連の作業の自動化を実現するためには,1)作業対象物の認識,2)作業対象物までの自律移動,3)作業の実行と言った各タスクの自動化技術を確立する必要がある.本研究では2)のタスクのみを対象とし,資源開発ロボットの自律移動技術について,理論的および実験的に考察することを目的とする.具体的には,移動機構として車輪式と履帯式の両方式を取り上げ,本年度は自律移動のための運動学解析を行うとともに,履帯式車両に関しても車体屈曲方式を提案し,機構の有利性を数値シミュレーションにより検証することを目的とする. 結果: 1)車輪式の車体屈曲型移動ロボットの運動学解析 ホイールローダおよびロードホールダンプなどは,一般に機動性を重視していることから車輪式の移動機構を採用している.そこで,車輪式の車体屈曲型移動ロボットの運動学について考察し,設定軌道を追従させるために必要な車輪速度,ステアリング角度・角速度などを理論的に算出した. 2)履帯式移動ロボットに対する車体屈曲方式の適用 履帯式の場合,内側の履帯と外側の履帯に速度差を与え,履帯を強制的に滑らせながら旋回を行うことから自律移動制御には不向きであると言われている.この欠点を克服するために,履帯式車両に対しても車体屈曲方式を適用した.さらに車体前後の4つの履帯速度を制御することにより履帯の滑り量が軽減することを数値シミュレーションにより検証した. 3)移動制御実験用模型の作成 次年度に実施する移動制御実験用の模型を設計・制作した.アクチュエータにはDCサーボモータを用い,さらにステアリング角度(屈曲角度)をセンシングするためのポテンショメータをセンターピンに設置した.
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