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2002 年度 実績報告書

イネ科植物における二遺伝子座型自家不和合性の分子遺伝学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 12660005
研究機関三重大学

研究代表者

掛田 克行  三重大学, 生物資源学部, 助教授 (50221867)

研究分担者 土屋 亨  三重大学, 生物資源学部, 助手 (30293806)
神山 康夫  三重大学, 生物資源学部, 教授 (80024579)
キーワード自家不和合性 / S遺伝子 / AFLP / mRNA fingerprinting / オオムギ / Hordeum bulbosum / 連鎖地図 / 形質転換 / Hordeum bulbosum
研究概要

1.オオムギ野生種Hordeum bulbosumにおけるS遺伝子座周辺DNAマーカーの単離とマッピング
S遺伝子転写産物の単離を目的として、昨年度行ったAMF(AFLP-based mRNA fingerprinting)分析において検出されたS遺伝子型特異的クローンの単離を続行するとともに、それらのクローンの詳細なマッピングを行った。S遺伝子型特異的断片(18本)をクローン化し、シークエンス解析を行った後、RFLP分析によりS遺伝子座との連鎖関係を調査した。その結果、S遺伝子座との連鎖が確定したクローンが2種類、連鎖の可能性が高いクローンが3種類単離された。
つぎに従来単離されたS遺伝子座連鎖クローンを含め、更に大規模なRFLP分析を行い、これらDNAマーカーのS遺伝子座周辺における詳細な位置関係を調査した。3種類のマッピング用分離集団、それぞれ324個体、94個体および62個体を用いて連鎖分析を行った結果、HAS5、HAS67、HAS79およびHAS122の4クローーンについては、互いに密接に連鎖し、S遺伝子座から0.62cM離れた距離に位置すること、またHTL、HAS31、HPS10およびHPS72の4クローンについてはいずれもS遺伝子座との組換えが認められず、S遺伝子座ときわめて密接に連鎖していることが明らかとなった。S遺伝子座との組換え率が0のマーカー4種類のうち、HTLおよびHAS31は対立遺伝子間の塩基配列多型性がきわめて低いため、S遺伝子自体ではないと考えられた。一方HPS10およびHPS72については、S3遺伝子型個体とのみハイブリダイズすることから、対立遺伝子間で塩基配列が大きく異なると推定された。したがって、これら2種類のクローンはS候補遺伝子と考えられる。今後、その発現特異性を確認するとともに、S3以外のS遺伝子型から相同クローンを単離し、S遺伝子型間での塩基配列の多型性を明らかにする必要がある。
2。H. bulbosumにおける形質転換系の開発
S候補遺伝子が自家不和合性決定因子であるかどうかを証明するためには、当該遺伝子の形質転換個体を作出し、自家不和合性の表現形質の変化をみることが必須である。昨年度までに行ってきたアグロバクテリウム法を改良することにより、本年度は栽培オオムギ(H. vulgare)の形質転換体を得ることに成功した。一方、H. bulbosumにおいては、同じ方法を用いても形質転換体を得ることはできなかった。今後、アグロバクテリウム感染から形質転換植物の再分化に適したH. bulbosumの系統・遺伝子型の探索を行うとともに、アグロバクテリウムの菌株や導入ベクターについても再検討する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 掛田克行: "Hordeum bulbosumにおけるS遺伝子座周辺DNAマーカーのマッピング"育種学研究. 4・別冊2. 361 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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