1、5種類の植物ホルモンの同時定量法の確立 ・学内現有の液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)の性能を最高に引き出すために、設定パラメーター(スキャン時間・スキャン数・測定点数・掃引数・スキャン範囲)を試験して、高感度の使用条件を検討した。 ・トマト組織の磨砕物からのホルモン、IAA、ABA、GAの分析のために、ミニカラムを直接にHPLCに接続して、洗浄液および溶出液の最適なメタノール濃度と使用量を試験して、効率的な使用条件を確立した。さらに、分析のコストの削減のために繰り返し使用を4回まで試験し、繰り返し使用時の保持特性にはほとんど変化はなく、繰り返し使用は可能と判断できた。 ・HPLCを効率的に使用するために高い理論段数および2本接続のカラムにおける6種類の標品の保持時間や溶離液変更時の保持時間の安定に必要な時間の基礎的な特性、およびLC-MSの感度向上のために半値幅・保持時間・標品の関係を試験した。 2、トマト植物体の植物ホルモンの分布 ・1段果房の果実の緑熟時に、茎・果実およびこれらのアポプラストとシンプラスト液を採取した。これらからLC-MSで4種類のホルモンを同定・定量し、量的関係を明らかにした。 3、トマト果実生長時のIAAの植物体内での移動の解析 ・IAAに関して・植物体の各部の切片からの拡散性IAAを定量した。さらに放射性IAAでこれらの切片での極性移動の能力(速度、移動可能な量)も測定し、これらの関係を明らかにした。
|