研究概要 |
ニホンナシ品種の自家不和合性の強さとS-RNase含量との相関を求める研究の一部がまとまり,2002年の夏に開催された「The International Symposium on Asian Pears」でレビューとして公表し,この内容はActa Horticulturaeに印刷中である。また,詳しい相関関係などについては,Sci.Hort.に印刷中である. S-RNaseを花柱から抽出してin vitroでの花粉アッセイに供試した結果,S-RNaseは不和合花粉管伸長を特異的に抑制し,その抑制程度は濃度に依存することが明らかとなった.このことから,不和合性の強さの品種間差が花柱内のS-RNaseの量で規定されるという,上記論文中の仮説を裏付けることができた. S_1,S_2,S_4およびS_5DNA断片の特異的増幅が可能となり,それらを使って数品種のS遺伝子型の再考とF_1雑種における新規S遺伝子型の同定を行うことに成功し,それぞれ園芸学会雑誌および園芸学会での口頭発表で公表した。また,S_2遺伝子に特異的なDNA断片に非アイソトープラベルし(DIGラベリング),これをプローブとしてドット解析を行った結果,このプローブがS_2遺伝子のmRNAに特異的に反応し,S_2遺伝子発現量が品種によって異なることが示唆された.
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