研究概要 |
前年度(平成12年度)の実験では,培養液に添加された2,4-Dichlorobenzoic acid分解菌がキュウリの栄養生長に及ぼす効果について検討した.その結果,培養液に2,4-Dichlorobenzoic acidを添加するとキュウリの栄養生長は抑制されたが,2,4-Dichlorobenzoic acid分解菌懸濁液を培養液に入れると2,4-Dichlorobenzoic acidは分解されてキュウリの生育抑制は回復した. そこで,本年度(平成13年度)は,抑制物質である2,4-Dichlorobenzoic acidがキュウリの生殖成長すなわち収量(収穫果実数)に及ぼす影響について検討し,2,4-Dichlorobenzoic acid分解菌懸濁液を培養液に入れると2,4-Dichlorobenzoic acidは分解されてキュウリの収穫果実数低下の回復がみられるかどうか検討した.その結果,培養液に2,4-Dichlorobenzoic acidを高濃度(10μmo1/liter)添加したにもかかわらず,分解菌懸濁液を添加すると収種果実数の回復がみられた. 以上より,キュウリの自家中毒回避法として,微生物利用が考えられた. 今後(来年度以降)は,キュウリ自身の根から滲出される生育抑制物質に対して分解菌が効果を及ぼすかどうか検詩する予定である.
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