研究概要 |
研究実績 1.ミツバツツジ,クルメツツジへの耐暑性の導入:ミツバツツジ交配系統ではオンツツジ,ハヤトミツバツツジ,サクラツツジを,クルメツツジ交配系統ではマルバサツキをそれぞれ交配親にしたF_1を高温・高湿など不適環境下で生育させ,生存した個体群から耐暑性に富む個体を選抜した. 2.ヒラドツツジへの四季咲き性の導入:キンモウツツジ×ヒラドツツジの交配で,当年9月から翌年1月にかけて高率で開花する四季咲き性の個体群(系統)を作出した.これらのうち9月もしくは10月中に早期開花する個体へヒラドツツジを戻し交雑し,BC1種子を得た. 3.ミツバツツジへの常緑性の導入:常緑のサクラツツジを交配親に用いると,常緑性のF_1が100%得られることを明らかにした. 4.クルメツツジ交配系統への二重咲き性の導入:二重咲き花のクルメツツジを花粉親に用いた交配で,F_1に二重咲き花が50%の割合で出現したことから,二重咲き性は優性形質で,この形質に関してクルメツツジはヘテロの遺伝子型を持つことを明らかにした. 5.ミツバツツジ,クルメツツジ,ヒラドツツジの新花色の育種:ミツバツツジとクルメツツジ交配系統では,F_1にはいずれの組合わせも一方の交配親の持つ紫紅色が優位に出現した.多彩な花色を獲得するにはF_2の作出が必要で,F_1を自殖しF_2種子を得た.これに対しヒラドツツジ交配系統では,F_1には両親の花色を示す個体と両親の中間の花色を示す個体が出現した.HPLCによる花弁の色素分析の結果,優性に発現するデルフィニジン系色素生成に関わる遺伝子がヘテロ型で存在することを明らかにし,優れた花色の個体を選抜してそれらへのヒラドツツジの戻し交雑を行った.
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