研究概要 |
1.本年度の実験 紫外線除去フィルムで被覆した雨よけハウスでホウレンソウ品種オーライを10月から11月にかけて栽培した.また,雨よけハウスと加温ハウス(最低夜温10℃)でホウレンソウ品種オーライを2月から3月にかけて栽培した.これらの葉における,アスコルン酸濃度,スーパーオキシドジスムターゼ(SOD),アルコルビン酸ペルオキシダーゼAPXおよびデヒドロアスコルビン酸還元酵素(DHAR)の遺伝子発現を解析した. 2.結果 (1)アスコルピン 酸濃度紫外線除去フィルム下のものおよび加温ハウスのものは,塩化ビニルフィルム下のものと雨よけハウスのものより,それぞれ有意にアスコルビン酸濃度が低かった. (2)遺伝子発現SOD, APXおよびDHAR遺伝子の発現は,紫外線除去フィルム下のものおよび加温ハウスのものが,塩化ビニルフィルム下のものと雨よけハウスのものより,それぞれ弱かった. 3.考察 (1)アスコルビン酸濃度に有意な差異が生じたのは,紫外線や低温によって生成された活性酸素を除去するためであると推察できる.この推察を確かめるため,来年度は葉中の過酸化水素を測定することにした. (2)DHAR遺伝子の発現に差異があったのは,紫外線や低温によってアスコルビン酸の合成が盛んになることによると考えた.この推察を立証するため,来年度は,強紫外線下と低温下でホウレンソウを栽培し,アスコルビン酸を葉面散布して,遺伝子発現,過酸化水素,アスコルビン酸などを測定することにした.
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