研究概要 |
1.マダニOrnithodoros moubataの産卵における内分泌的な調節機構を明らかにするために,未交尾メスに、エクジソンを局所施用した。その結果、未交尾メスでは見られないはずの産卵が、エクジソンによって誘導された。 2.吸血後の未交尾メスと交尾したメスの産卵に伴うエクジソンの血中濃度を測るために,一定量の体液を採取し,RIA(radio-immunoassay)により定量した。吸血後14日付近の産卵時期に、交尾したメスでのみ高い濃度となることが判った。 3.以前の結果より得られた、マダニのエクジソン受容体EcR(ecdysone receptor)のDNA結合領域からprimersを作製し,マダニから抽出したcDNAをtemplateとして3'RACE、5'RACEをおこなった。今後、塩基配列とアミノ酸配列を解析し、Northern Blotによりこれらの遺伝子の発現の動向を調べ、卵形成との関連を明らかにしていきたい。 4.作成したビテロジェニンcDNAライブラリーを用いて、ビテロジェニン遺伝子の全塩基配列を解析していきたい。
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