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2000 年度 実績報告書

リボソームRNAの高度保存部位に見られる蚕に特異的な塩基配列とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 12660053
研究機関信州大学

研究代表者

内海 利男  信州大学, 繊維学部, 助教授 (50143764)

研究分担者 中垣 雅雄  信州大学, 繊維学部, 教授 (70135169)
キーワードリボソーム / リボソームRNA / リボソームタンパク質 / 蚕 / GTPaseドメイン / 鱗翅類昆虫 / RNA-蛋白質相互作用 / P蛋白質
研究概要

リボソーム28SrRNA中の"GTPaseドメイン"と呼ばれる機能部位は、蚕ではユニークで、全生物で共通と考えられてきた塩基U-1094とA-1098がそれぞれCとGに変化していた。本年度、他の昆虫の塩基配列も解析したところ、この塩基置換は、ハスモンヨトウやエビガラスズメでも見られたが、ハエ、バッタ、ゴキブリでは変化しておらず、鱗翅類昆虫の特徴であることが示された。また、100ヌクレオチドの合成RNA断片を用いた分析により、蚕型の塩基置換を有する合成RNAは不安定で主に二種類の構造異性体の出現が確認された。蚕型RNA構造の不安定な性質は、ここに結合するリボソーム蛋白質,P0-P1/P2複合体やeL12により安定化することが判明した。従って、蚕型RNAの性質はP0-P1/P2複合体とeL12蛋白質の特徴と相関するものと推察される。また、P0-P1/P2とGTPaseRNAドメインとの結合機構を探る為、蚕リボソームより、P0,P1,P2を精製し、RNAとの結合性をゲルシフト法により解析した。その結果、P0単独ではRNA結合性は低いが、P1とP2の共存下により、その結合性は著しく増強した。しかしP0とP1のみ、またはP0とP2のみではRNA結合性の増強はわずかであった。また、P1とP2間の結合性も観察された。以上の結果、P1-P2間結合により、P0との複合体が生じ、P0を介して蚕GTPaseRNAドメインに結合し、RNAの高次構造を調整するという結合機構モデルが考案された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Uchiumi,T. et al.: "A Covariant Change of the Two Highly Conserved Bases in the GTPase-associated Center of 28 S rRNA in Silkworms and Other Moths."J.Biol.Chem.. 275. 35116-35121 (2000)

  • [文献書誌] Anderson,C.J. et al.: "Autoantibodies to the 20-kDa Ribosomal Proteins : Identification, Characterization, and New Aspects on Prevalence in Systemic Lupus Erythematosus."Clinical Immunol.. 98. 249-253 (2001)

  • [文献書誌] 内海利男: "リボソームの機能部位が見えてきた:X線結晶解析が示す翻訳装置の構造."蛋白質・核酸・酵素. 45. 1237-1244 (2000)

  • [文献書誌] 石川冬木 他: "RNA研究の最前線"シュプリンガー・フェアラーク東京. 238 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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