研究概要 |
様々なマメ植物ウリカーゼcDNAをクローニングし、ウリカーゼアミノ酸配列から推定される系統樹を作成した。その結果、アミド型で窒素固定産物を転流するマメ科植物とウレイド型で転流するマメ科植物とは,系統樹ではっきりと分かれたグループを形成することが示され、進化上からもウレイド型とアミド型ははっきりと分岐したグループであることが示された。 ダイズ根粒で発現する二つのウリカーゼ遺伝子,(UR2,UR9)をpET32を用いた大量発現系に組み込み、精製後発現タンパクの性質を検討した。酸素に対するKm値は両者とも変化はなかったが、根粒特異的なUR9ウリカーゼはUR2ウリカーゼに比べて尿酸に対するKm値が低く、様々な代謝中間体により調節を受ける可能性が示唆された。 ウリカーゼは根粒内で非感染細胞特異的に発現増幅を受けるが、このcis-elementの解析をダイズ毛状根の系を用いて行った。まず様々なマメ科植物のウリカーゼゲノム遺伝子上流域を比較して、けずりこみ実験、gain-of-function, loss-of-function実験の結果、6塩基よりなるモチーフが発現をコントロールしている事を強く示唆する結果を得た。更に、この6塩基のモチーフに対するトランスファクターが根粒核タンパク質内に存在することをゲルシフト分析によって解析した。 ミヤコグサ形質転換系を用いて根粒内でのC, N代謝の相関を検討するため、PEPC, maizePPDK遺伝子を強発現プロモーターに組み込んだ形質転換体を作製した。この形質転換体の解析をするためにT2世代の種子を得る作業を行った。
|