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2000 年度 実績報告書

真正細菌SRP RNAのNMRによる構造解析とコンピューター・モデリング

研究課題

研究課題/領域番号 12660065
研究機関筑波大学

研究代表者

中村 幸治  筑波大学, 生物科学系, 講師 (40212097)

キーワード細胞内低分子RNA / 大腸菌 / SRP RNA / タンパク質相互作用 / 構造解析 / NMR / RNA / 4.5S RNA
研究概要

大腸菌SRP RNAである4.5S RNAは、菌体内では、2種類のタンパク質(Ffh,EF-G)と結合し、タンパク質の分泌と翻訳に関与する。本研究では、まず、翻訳機能に必須な最小単位の構造を明らかにした。このため、遺伝子工学的に、114塩基のヘアピン構造をとる完全長の4.5S RNAの5'および3'両方向から削った変異株を数種類作成し、大腸菌4.5S RNA欠損株へ導入した。その結果、進化的に保存されたバルジ構造のうち、バルジAおよびBを有する変異株(49塩基、SRP49)は増殖能を回復し、さらに、ゲルシフトアッセイの結果、EF-Gおよび、Ffhタンパク質との結合能も有していた。しかし、どちらかのバルジを欠損した変異体では全てを失っていた。
次に、この構造内にランダムな変異を導入した変異体を作成し、両タンパク質との結合能を解析した結果、Ffhとの結合には、A39,C40,C41,A42,A47,G48,および、G49が、また、EF-Gとの結合には、A47,A60,G61,C62,A63,およびA67がそれぞれ関与していた。この結果より、Ffh,EF-Gは共に、4.5S RNAのバルジAおよびBを含む領域を認識するが、結合に関与する塩基は両者で異なることが示唆された。A47は、両者との結合に重要であった。
上記の結果得られたSRP49は、安定な二次構造を形成し、NMRシグナルの解析に適していると判断されたので、化学合成により作成し、NMR解析を行った。さらに、A47変位体についても解析を行った。その結果、SRP49は特徴的な構造を持ち、ヘリカルな構造を有していた。バルジ構造を2つ保持しており、今回、変異体の解析で明らかになった結合に関与する塩基はいずれも、構造の外側に位置しており、タンパク質との結合ができる位置にあった。
A47変異体の解析は現在進行中であり、現時点では完全に決定できていないが、A47Uの変異体において新規の塩基対を示すシグナルが得られており、この変異体では、1塩基の変異により、大きな構造変化を起こし、このことが、両タンパク質との結合能を著しく失った原因であると推測する。今後、データの細密化を図ると同時に、得られた情報に基づいて、コンピュータ・モデリングによってRNAと蛋白質との相互作用を解析する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kakeshita,H.: "Expression of the ftsY gene, encoding a homologue of the α-subunit of mammalian SRP receptor, is controlled by different promoters in vegetative and sporulating cells of B.subtilis."Microbiology. 146・10. 2595-2603 (2000)

  • [文献書誌] Kakeshita,H.: "Effect of depletion of FtsY on spore morphology and the protein composition of the spore coat layer in Bacillus subtilis."FEMS Microbiol. Lett.. 195・1. 41-46 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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