[1] Sulfolobus sp.strain 7 のOFORのX線結晶構造解析について、市販の100通り以上の結晶化条件を検索し、結晶化の可能性のある数種類の条件について、絞り込みを行い、形状の優れた結晶について、学内のR-axisIV、筑波の高エネルギー研究所、播磨のSpring8において、X線回折写真を撮影した。分解能向上のために、今後さらに、結晶化の条件検討、基質やコファクターとの共結晶、部分分解酵素の結晶化などを検討する必要がある。 [2] Sulfolobus sp.strain 7のOFORの活性中心残基の同定 既にaサブユニットの保存配列YPITPの各部位の変異体を作成して性質を調べた。20近い変異体を作成して解析したが、このモチーフは基質の結合ではなく、代謝の回転にとって重要である、という結論が導かれた。この結論は、最近フランスのグループが初めて発表した細菌型OFORのX線結晶構造の結果、例えばモチーフのThrは基質との結合に重要とする推測、とは対照的であり、今後議論を引き起こすことになろう。 また、上の構造解析を参考に、基質2-オキソ酸の結合に結合に関与すると考えられる5個の残基をSulfolobus OFORで特定し、20近い変異体を作成して解析した。この中のArg344は活性に必須であり完全に保存された残基であることがわかった。 [3] 他のOFOR遺伝子の産物の解析 100℃でも生育する超好熱性古細菌Aeropyrumのゲノムには2つのサブニットからなるOFORが2組ある。 これらを発現させて機能を調べたが、いずれもピルビン酸を主な基質とするものの特異性は厳密でなかった。
|