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2000 年度 実績報告書

キチナーゼの結晶性キチン分解メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 12660070
研究機関新潟大学

研究代表者

渡邉 剛志  新潟大学, 農学部, 教授 (10201203)

キーワードキチナーゼ / 結晶性キチン / Bacillus circulans / Serratia marascens / キチン吸着ドメイン / FuIIIドメイン / 立体構造
研究概要

本研究は、Bacillus circulans WL-12のキチナーゼA1をモデルとして、細菌キチナーゼによる結晶性キチン分解機構を解明することを目的としている。キチナーゼA1は3種、4つのドメインから構成されるキチナーゼで、これまでの研究によって活性ドメインとキチン吸着ドメインの立体構造が決定されている。以下に述べるように、平成12年度の研究によって、結晶性キチン分解に必須の構造が活性ドメインに存在することが証明された。
1)基質結合クレフトに存在する芳香族アミノ酸の機能
キチナーゼA1の基質結合クレフトには7つのサブサイトが存在する。これらのサブサイトに存在する芳香族アミノ酸の機能を調べるために、部位特異的によってアラニンに置換し、性質の変化を解析した。その結果マイナス側のサブサイトの芳香族アミノ酸が、結晶性キチン分解に必須であることが明らかとなった。このことから、結晶性キチンからのキチン鎖はマイナス側から導入され、そこに存在する芳香族アミノ酸がキチン鎖の保持とクレフト内の移動に重要な役割を果たしていることが強く示唆された。
2)活性ドメイン表面に存在する芳香族アミノ酸の機能
キチナーゼA1の活性ドメイン表面に、基質結合クレフトの延長線上に並んでいる2つの芳香族アミノ酸が見いだされた。これらのアミノ酸残基をアラニンに置換し、性質の変化を解析した。その結果、結晶性キチンの分解活性のみが顕著に低下した。この結果と立体構造上の位置から、活性ドメイン表面に存在するこれらのアミノ酸残基は、キチン結晶表面からキチン鎖をひきはがし基質結合クレフトに導入する役割を果たしていることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T.Ikegami 他: "Solution structure of the Chitin-Binding domain of Bacillus circulars WL-12 chitinase A1"J.Biol.Chem.. 275. 13654-13661 (2000)

  • [文献書誌] M.Hashimoto 他: "Expression and characterization of the chitin-Binding domain of chitinase A1 from Bacillus circulars WL-12"J.Bacteriol.. 182. 3045-3054 (2000)

  • [文献書誌] J.Sakamoto 他: "Artificial chitin spherulites composed of single crytalline ribbons of 〆-chitin via enzymatic polymerization."Macromolecules. 33. 4155-4160 (2000)

  • [文献書誌] M.Hashimoto 他: "Site-directed mutagenesis of Asp280 suggests substrate assisted catalysis of chitinase A1 from Bocillas circulars WL-12."J.Biosci.Bioeng.. 89. 100-102 (2000)

  • [文献書誌] Y.Honda 他: "Kinetic analysis of the reaction catalyzed by chitinase A1 from Bacillus circulars WL-12 toward the novel substrates."FEBS letters. 476. 194-197 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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