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2000 年度 実績報告書

発芽イネ種子におけるデンプンーショ糖転換調節機構の解析とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 12660071
研究機関新潟大学

研究代表者

三ッ井 敏明  新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (70183960)

キーワードイネ種子 / 発芽 / デンプン / ショ糖 / ジベレリン / トリコスタチンA / α-アミラーゼ / UDP-グルコースピロホスホリラーゼ
研究概要

本研究課題は、発芽イネ種子におけるデンプンーショ糖転換調節機構の解明とデンプン代謝系の遺伝子操作による発芽力調節技術の確立を目指している。本年度は主に、(1)発芽イネ種子におけるα-amylaseおよびUDP-glucose pyrophosphorylase(UGPase)の組織、時期、ホルモン特異的発現調節、(2)α-アミラーゼ発現の転写調節におけるヒストンアセチル化の関与に関する研究を進めた。
(1)UGPaseの発現は、主に胚盤およびアリューロン層組織において見られたが、発芽過程における時期特異性は認められなかった。α-アミラーゼI-1は発芽初期においては胚盤組織、発芽後期から伸長生長期においてはアリューロン層で発現するが、α-アミラーゼII-4の発現は発芽初期においては胚盤組織および幼芽鞘で見られ、伸長生長期においてはα-アミラーゼI-1と同様にアリューロン層で起こることが分かった。また、発芽イネ種子のアリューロン層におけるα-アミラーゼII-4分子の発現はそのプロモーター領域にジベレリン(GA)応答シス因子がないのにも関わらずGAによって誘導され、さらに、GAによるα-アミラーゼII-4分子の誘導はCa^<2+>およびカルモデュリンを介した転写後調節によるものであることが明らかになった。(2)ヒストンデアセチラーゼの阻害剤であるトリコスタチンA(TSA)を用いた実験から、発芽イネ種子のアリューロン層におけるα-アミラーゼ遺伝子の転写にヒストンアセチル化が関与していることが示唆された。しかし、胚盤組織におけるα-アミラーゼ遺伝子の転写はTSAによって変化しなかった。これらの結果から、ヒストンアセチル化によるイネα-アミラーゼ遺伝子の転写調節は組織特異的に行われていると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Mohammad A.Kashem: "Possible involvement of phosphoinositido-Ca2^+ signaling in the regulation of α-amylase expression and germination of rice seed (Oryza sdiva Ls.)"Plant and cell Physiology. 41・4. 399-407 (2000)

  • [文献書誌] Tadashi Kishimoto: "Basic subunit of glutelin, rice major storage protein, has N-linked sugar side chain"Plant Biotechnology. 17・3. 217-224 (2000)

  • [文献書誌] Mohammad A.Kashem: "Alteration of starch-sucrose transition in germinating wheat seed under sodium chloride salinity"Journal of Plant Biolosy. 43・3. 121-127 (2000)

  • [文献書誌] Nilufa Sultana: "GA_3 and proline promote germination of wheat seeds by stimulating α-amylase at unfavorable temperatures"Plant Production Science. 3・3. 232-237 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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