研究課題/領域番号 |
12660084
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
高木 博史 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (50275088)
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研究分担者 |
中森 茂 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (00254243)
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キーワード | 出芽酵母 / N-アセチルトランスフェラーゼ / プロリンアナログ耐性 / アゼチジン-2-カルボン酸 / ゲノムプロジェクト |
研究概要 |
MPR1は我々が出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeΣ1278b株に発見した新しい遺伝子で、毒性プロリンアナログのアゼチジン-2-カルボン酸(AZC)をアセチル化し、無毒化する酵素をコードしている。また、MPR1はΣ1278b株の第X、第XIV染色体に2コピーあり、本菌のAZC耐性に関わっているが、ゲノム解析が終了したS. cerevisiae S288C株には存在しない。本年度は、現在3種類に分類されているS. cerevisiaeの同胞種酵母におけるMPR1の構造や機能を比較した。 まず、MPR1のORF内の配列をもとにプライマーを設計し、S. bayanus(3株)、S. pastorianus(2株)、S. paradoxus(1株)のゲノミックPCRを行った結果、ほとんどの同胞種で約160bpの断片が増幅し、その配列もMPR1と83〜87%一致していた。しかしながら、各同胞種のAZC感受性やAZCアセチル化活性を調べてみると、S. paradoxusのみに完全なMPR1ホモログが存在することが示唆された。S. paradoxusについては、別のプライマーを用いたゲノミックPCRによってORF全長を含む約1kb断片がクローニングでき、ORF内の塩基配列やアミノ酸配列はMPR1と87%もの相同性を示した。さらに、このMPR1ホモログ(MPR3)は、S. paradoxus染色体に1コピー存在し、S. cerevisiaeへの多コピー導入実験から、MPR1と同様にAZCアセチルトランスフェラーゼをコードすることが判明した。
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