研究概要 |
名古屋大学構内の落葉樹二次林内に成育するアラカシ稚幼樹の光合成特性について2002年7月から2003年1月までにかけて実験を行った。光-光合成曲線より、当年生、1年生、2年生葉の順で最大純光合成速度は低下し、光合成速度は葉令に伴い低下することが明らかとなった。また、当年生葉について、純光合成速度の日変化を、30秒間隔で、日の出から日没まで測定した結果、8月を除き、sunflecksの日変化と対応した変化を示した。8月の光合成の光反応の低下は、乾燥ストレスによるものと考えられた。純光合成速度pnと光合成有効放射量Iの日変化から得られた光-光合成曲線は下式で近似された。 【numerical formula】 上式において、a, b, rは係数である。最大純光合成速度b/a-1は7月から8月にかけて低下し、その後1月まで増加する傾向にあった。 日純光合成量と日光合成有効放射量は正の相関を示し、夏期に低い値を、冬期に高い値を示した。これは、林内の光環境が秋から冬にかけて明るくなることに起因した。
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