環境負荷軽減が課題とされる21世紀型社会においては災害対策における重要なソフト手法としての警戒・避難対策が重要視されるので、この研究では、無料または安価で入手が容易・迅速なインターネット情報の観点から、山地森林斜面における雨量観測、及び、降水短時間予報情報などの解析に基づき、警戒・避難に適用できる山地地点雨量の算定法を検討した。 その結果、以下の4点に関する知見が得られた。 1)インターネット公開情報(高層の風速など)とニューラルネットワークを用いた簡便な短時間地点降雨量予測手法、2)山地斜面での雨量観測を行い、その観測データに基づく山地における地形性降雨の発生実態、3)インターネット公開情報を用いた山地地形性降雨の定量的評価手法、4)山地斜面での雨量観測に基づくインターネット降水短時間予報情報の山地における降雨予報精度の評価と補正手法。 これらの研究成果が、山地災害からの警戒・避難手法と組み合わされることにより、より効果的なシステムの構築につながるものと信じる。
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