研究概要 |
林業的価値の高いミズナラについて,更新材料である種子の豊凶周期のメカニズムを解明することを目的とした研究である. 平成12年度においては,下記の研究を行い,平成13年度における研究への基盤を確立した. 現在,下記の成果に基づき,取りまとめを進めている. (1)北大雨竜演習林,九大北海道演習林において,試験地の設定を行った.特に,九大北海道演習林においては,200×100m(2ha)および100×100m(1ha)の大プロットを2個設定し,樹種,胸高直径,樹高,位置についての毎木調査を行い,シード・トラップを設定し,種子生産量の継続調査を開始した. (2)北大雨竜演習林において,ミズナラのフェノロジー観察および着花・着果量を計測するための調査木を選定し,これら観察,計測を定期的に行った. (3)九大北海道演習林において,ミズナラ10個体に対し,フェノロジーの観察と幹へのピン・マーキングを,生育期間中1回/2週間の頻度で施し,細胞形質の経時変化とフェノロジにおける変化との関係について解析を進めている. (4)北大雨竜演習林および九大北海道演習林における種子生産量に関する既存の調査データの収集を行い,現在,データベース化を進めている. (5)プロットおよび調査木における環境データを収集するための機器材を購入し,北大,九大両大学間で比較解析を行い得るために適切な,センサーの設置形態と設置数を明らかにするための事前実験を行った.
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