研究概要 |
(平成13年度(前年度)までの研究実績は次のページの文献1〜4番目に記した。) 平成14年度は以下の研究を行なった。 1.ヘムロック(カナダツガ)の柱材(115mm角)の生材について、日本の80都市の月別平年気温、平年相対湿度を参考として、温度10,20,30℃、相対湿度60,70,80,90%を組み合わせた温度湿度条件で乾燥を行ない、表面割れが発生する環境条件および割れ発生時の材中の含水率分布(水分傾斜)について検討した(次ページ文献の5番目)。 (1)割れ発生は温度の影響よりも湿度の影響を強く受ける傾向が確認され、相対湿度90%の条件は割れ発生が少なく、大略低湿度条件ほど割れが多くなる結果となった。常温では、相対湿度80〜90%に表面割れ発生限界点があることが推測される。 (2)さらに表面割れ観察から、乾燥条件以外にも初期含水率、材中の欠点(目廻り、木口割れ)などが割れ発生に影響を与えた。 (3)材から切り出した試験片の表層付近付(深さ5mm)の水分傾斜結果から、表面割れ発生材は割れ発生がなかった材よりも大きな水分傾斜(=0.18/0.077=2.3倍)が見られた。このことは表層の水分傾斜をモニタすることで表面割れ発生を予知できる可能性を示唆している。 2.スギ柱材の生材について天然乾燥時に発生する表面割れの条件の検討(次ページ文献6番目) 上記1.に記した実験と同様な試験をスギ柱材の生材に対して行った。 概ね、上記の試験結果と同様な結果が得られた。 3.次年度(最終年度)実施内容:表面割れが発生する環境条件を整理するために、木材の横引張り強さ試験を行い、乾燥応力(水分傾斜の大小)、環境条件を関連づけて割れ発生条件を整理し、印刷公表する。
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