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2000 年度 実績報告書

心材リグナン生合成の制御に関する基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 12660150
研究機関京都大学

研究代表者

梅澤 俊明  京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (80151926)

キーワードリグナン / 心材 / 生合成 / ノルリグナン
研究概要

本研究の最終目的は、心材成分の生合成の制御に関する基礎的知見を得ることである。当初特に心材リグナンの生合成に着目して研究をすすめることとしていたが、もうひとつの重要な心材成分であるノルリグナンの生合成についても併せて検討した。
本年度の研究では、まず、ヒノキの心材リグナン(ヒノキニン)の生合成前駆体の精査を行い、新規リグナン1種とヒノキニンの生合成前駆体(構造既知リグナン)7種、およびヒノキニンの代謝物と考えられる2種のリグナンを見い出した。加えて、重水素標識体を用いたフィーディング実験を行うにより、ヒノキにおけるリグナン合成経路の概略を解明した。
次いで、心材リグナン生合成には、フェノール性水酸基のメチル化が関わる場合が多いことから、心材リグナン生合成のモデル植物(ベニバナ)から既に構築したcDNAライブラリーを種々の方法でスクリーニングすることにより、リグナンメチル化酵素のクローニングを行っている。
また、心材リグナン生成反応の立体化学を検討するためのモデル系を確立するため、ジンチョウゲを用い、リグナンを産生する培養細胞系を確立した。
一方、ヒノキの心材ノルリグナン(ヒノキレジノール)を産生するアスパラガス培養細胞を確立した。この系を用いて、ノルリグナンの全炭素がケイヒ酸経路に由来することを初めて証明すると共に、ノルリグナン生成の直前の前駆体モノマーを見い出した。
次年度の研究では、心材リグナン合成酵素の遺伝子クローニングとその発現調節機構の解明、ノルリグナン生成酵素活性の検出/精製/遺伝子クローニングを行う予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] T.Umezawa ほか2名: "Enantiomeric compositions and biosynthesis of Wikstreomia sikokiana lignans"Journal of Wood Science. 46. 234-242 (2000)

  • [文献書誌] T.Umezawa ほか5名: "A new lignan, isoactifolin, from Chamaecyparis obtusa cv.Breviramea"Journal of Wood Science. 47(in press). (2001)

  • [文献書誌] T.Umezawa ほか2名: "Isolation and enzymatic formation of lignans of Daphne genkwa and Daphne odora"Journal of Wood Science. 47(in press). (2001)

  • [文献書誌] T.Umezawa ほか7名: "Lignans of Chamaecyparis obtusa"Journal of Wood Science. 47(in press). (2001)

  • [文献書誌] T.Umezawa: "Biochemistry and molecular biology of cinnamate pathway"Wood Research and Technical Notes. No.36. 17-33 (2000)

  • [文献書誌] T.Umezawa: "Biosynthesis of lignans and related phenylpropanoid compounds"Chemical Regulation of Plants. 36(in press). (2001)

  • [文献書誌] T.Umezawa: "Wood and Cellulosic Chemistry 2nd Ed.revised and expanded (Eds.Hon,D.N.-S.and Shiraishi,N.)"Marcel Dekker. 914 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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