研究概要 |
1.ヒラタケ菌床での子実体形成時におけるフェノールオキシダーゼとスーパオキシドディスムターゼの活性変動 ペルオキシダーゼとラッカーゼ活性は,菌糸蔓延時に急増し原基形成後低下した.マンガンペルオキシダーゼ活性は,ヒラタケでは原基形成時で低く,子実体生育中に増加した.一方ヒマラヤヒラタケでは全般にわたって低いレベルであった.スーパーオキシドディスムターゼ活性は、菌糸蔓延時では低く子実体生育段階で高くなった.これらのリグニン分解酵素の活性変動は,子実体発生と密接な関係にあることが明らかになった. 2.ヒラタケ栽培へのシュロガヤツリの利用 ヒラタケ属菌のエリンギ栽培でのシュロガヤツリの利用について検討した。シュロガヤツリはカヤツリグサ科に属する多年生草本植物である.スギ培地に比べて,シュロガヤツリ培地で熟成度が高くなった.一次発生では,シュロガヤツリ培地でより多くの子実体が発生した.今回用いた3品種では,KS-72(121%), KS-18(123%), KS-54(120%)となった.ただ,二次発生では急減して,ほとんど子実体発生が望めないことが分かった.水ポテンシャルの測定結果より.シュロガヤツリ培地は二次発生前に極端に水ポテンシャルが上昇して水分環境が適切でないものと思われた.
|