研究課題/領域番号 |
12660157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
梨本 勝昭 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (40001614)
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研究分担者 |
高木 力 近畿大学, 農学部, 講師 (80319657)
平石 智徳 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (10218761)
内藤 靖彦 国立極地研究所, 教授 (80017087)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 加速度搭載型 / マイクロデ-タロガー / ヒラメ / 離底行動 / 滑空行動 / 水平移動距離 |
研究概要 |
本研究では津軽海峡沿岸域に生息するヒラメ成魚を対象に、活動の日周性と離底行動の機能および遊泳滑空の仕組みを明らかにした。 2000年10〜11月に10個体について加速度センサー搭載型データロガーをヒラメ成魚に装着して北海道知内町沖合に放流した。2個体の回収に成功して33.9時間、142.2時間にわたり遊泳速度、水深、水温、2軸の加速度の貴重な連続行動データを得ることができた。記録された加速度波形の明瞭な違いからヒラメの移動様式には次の2つのパターンがあることが明らかになった。 (1)Only-beat方式:離底開始から終了まで、遊泳に伴う加速度波形が連続的に記録される移動パターン。このパターンでは離底の高さは1mを超えることはまれであり、離底時間は3分間を超えることはない。 (2)Beat-glide方式:離底開始から終了までの時間、体の振動を継続させるパターン。このパターンでは上昇と下降を連続的に繰り返し、上昇時にのみ体を振動させて、下降時には滑空をする。離底の高さは1m以下になることはまれで、離底持続時間は最長で約24分間に及んだ。 二つの移動様式の間で解析した各パラメータについて比較したところ、遊泳持続時間には二つのパターン間に有意差が認められなかった。また水平移動距離はBeat-glide方式の方が有意に距離は長く、ヒラメは移動距離の長短に応じて移動方式を変えていることが示唆された。さらに、水平移動距離と魚体の振動数との間には、両パターンともに有意な正の相関が認められ、同じ距離を移動する場合にはBeat-glide方式ではOnly-beat方式に比べると振動回数を約22.3%節約でき、さらに酸素消費率で両者を比較すると62%の移動コスト軽減になることが試算され、ヒラメは移動離に応じて移動方式を選択していることが明らかとなった
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