研究概要 |
1.魚類の初期発育過程および環境適応過程おける松果体および網膜の光受容細胞の発達および増殖に関する電顕および免疫細胞化学的研究の成果を取りまとめ、日本水産学会70周年を記念した国際シンポジウム(平成13年10月1日〜5日、パシフィコ横浜国際会議場)に出席して"Development and Proliferation of the Photoreceptor Cells in the Pineal Organ and Retina of Fish"と題するポスター発表を行った。 2.アユやニジマスの初期発育過程およびヒラメやウナギのライフサイクルにおける光受容器の機能発現と分化に関する研究成果を取りまとめ、さらに魚類網膜におけるニューロン新生に関する総説を加え、東京大学海洋研究所シンポジウム「魚類神経科学研究の現状と展望」(平成12年11月21〜22日)で行った「魚類の網膜における光受容細胞の分化と増殖」と題する講演に基づいて、「魚類のニューロサイエンス」(恒星社厚生閣、東京、p.106-121、平成14年)に分担執筆を行った。 3.フランクフルト大学医学部にて(平成13年3月4日〜18日)、Korf, H.-W.教授(海外共同研究者)およびその共同研究者らと、ニジマス稚魚における光受容神経内分泌系の情報発現・伝達機構に関わる光受容タンパク、時計遺伝子、神経伝達物質等に関する免疫細胞化学的研究を蛍光標識法とABC法により実施し、その成果を報文にすべく解析を進めている。 4.ヒラメやウナギのライフサイクルにおける網膜光受容細胞の増殖機構を明らかにするため、PCNA(増殖細胞核抗原)免疫陽性細胞を指標に、キンギョやグッピー等の稚魚や若魚の網膜と比較しながら解析を進めている。切片作製、実験魚の入手等で未解決の困難な問題があるが、若干の成果を取りまとめ「2、3魚種の網膜桿体細胞の増殖機構に関する免疫細胞化学的研究」と題する講演発表を平成14年度日本水産学会大会(4月1日〜5日、近畿大学農学部)において行う。
|