研究課題/領域番号 |
12660175
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田北 徹 長崎大学, 水産学部, 教授 (30039721)
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研究分担者 |
征矢野 清 長崎大学, 水産学部, 助教授 (80260735)
原 研治 長崎大学, 水産学部, 教授 (10039737)
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キーワード | コチ属 / 有明海 / 初期生活史 / 浸透圧調節 / DNA / 種判別 |
研究概要 |
有明海のマゴチとヨシノゴチについて、以下に示す研究を行った。 1)両種を定期的に購入して魚体を測定し、摘出した耳石の年輪を読み取り、産卵期についてはマゴチは6月、ヨシノゴチは4月であることを、成長については下に示す成長式で示されることを明らかにした。 マゴチ雄 Lt=463.3(1-exp^<-0.4088(t+0.3208)>) マゴチ雌 Lt=705.1(1-exp^<-0.2210(t+0.5858)>) ヨシノゴチ雄 Lt=464.5(1-exp^<-0.2501(t+2.1481)>) ヨシノゴチ雌 Lt=629.4(1-exp^<-0.3136(t+0.7341)>) 2)島原半島と熊本県菊池川河口でpush-netによる稚魚の採集を行い、コチ属稚魚が熊本県側の河口域に周年に亘り分布することを明らかにした。DNA分析による判定で、それらは全てマゴチであることを確かめた。マゴチは、潮汐に伴い、淡水から塩分32までの海水濃度の変化に耐え、食性は、若いうちはアミ類を中心とする甲殻類を捕食し、成長すると魚食へ変化することが分かった。 3)両種の人口受精卵を70日間に亘り飼育し、飼育条件を明らかにすると共に、初期生育期における形態の変化を明らかにした。その結果、マゴチは水温24℃において25日で着底期に達するのに対し、ヨシノゴチは19℃において30日で着底することが分かった。 4)両種の飼育稚魚を用いた生理実験で、環境水の塩分低下に対する耐性を調べ、ヨシノゴチが塩分低下に対する抵抗性が弱いのに対し、マゴチは抵抗性が強く、マゴチのみが河口域で生育する状況を生理学的に裏付けた。
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