研究課題/領域番号 |
12660176
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
吉田 照豊 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20240294)
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研究分担者 |
酒井 正博 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20178536)
延東 真 宮崎大学, 農学部, 助教授 (80128355)
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キーワード | ブリ連鎖球菌 / 莢膜 / ワクチン / 防御抗原 / 莢膜抗原 / ブリ / KG- / KG+ |
研究概要 |
ブリ連鎖球菌は魚病被害のなかで一番大きな細菌感染症である。ブリ連鎖球菌の治療には抗生物質による治療がもっぱら行われてきた。ブリ連鎖球菌は考現学的に莢膜を有するKG-型と莢膜を有しないKG+型の2種類の表現型が存在することが解っている。近年、ブリ連鎖球菌症における予防のためのワクチンが開発されその有効性が確認されている。しかしながら、なぜワクチンの効果があるのか、細菌のどの部分が感染防御に重要な役割をなしているのか判明していない。この研究では細菌のどの部分が病原性に関与しているのかを明らかにすること及びワクチン抗原としてどの部分が重要なのかを明らかにすることを目的としている。連鎖球菌の変異株を作成した。すなわち、大きな莢膜を欠失したが、微小莢膜、繊毛を有する変異株及び微小莢膜、繊毛共に欠失した変異株を得た。これら変異株を用いた感染試験およびワクチンを作成し、防御能を変異株間で比較検討した。その結果、連鎖球菌の病原性には莢膜が関与しており、感染防御抗原は莢膜ではないことを明らかにした。また、防御抗原を保有する変異株と保有しない変異株を明らかにし、微小莢膜あるいは繊毛が連鎖球菌の感染防御に重要な役割をなすことを証明した。また、KG+抗原に対するモノクローナル抗体を作成し、抗原の所在を検討した結果、KG+抗原は細胞壁周辺のみに存在した。しかし、莢膜,微小莢膜、繊毛にはKG+抗原は存在しなかった。
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