研究概要 |
食品、医薬、化粧品の原料やバイオテクノロジーの研究に用いられる寒天・カラゲナンに代表される海産多糖類は、これら製品や研究の高機能・多様化にともなって、多様で高品質のものが要求されている。これに対応するため、品種改良を目的とした寒天・カラゲナン海藻の品種作成過程への組織培養と細胞融合法の導入、その有効性について今年度は、1)胞子から単藻培養した藻体の作成、2)組織の無菌摘出と培養に必須の抗生物質・その他殺菌剤、培地組成の種類・、3)プロトプラスト作成と培養好適条件、4)カラゲナン溶解酵素が市販されていないため、カラゲナン藻の分解細菌からのカラゲナン溶解酵素の作製、等について検討を行った。実験には、寒天藻としてオゴノリ、エゴノリとハリガネ類を、カラゲナン藻としてツノマタ類を用いた。 ツノマタの果胞子を用いた単藻培養からは、夾雑藻類のない本研究の試料として耐え得る藻体を作成することが出来た。寒天藻のオゴノリ、エゴノリ、ハリガネのプロトプラスト作成には0.7MマンニトールMES滅菌海水にアガラーゼ(4U/ml)、セルラーゼ(6%w/v)、マセロザイム(3%w/v)、ペクチナーゼ(3%w/v)、温度25C,処理時間60-120分でこれらの海藻のプロトプラストが得られた。特にハリガネではアガラーゼ(4U/ml)で848万個得られた。フィリピン産キリンサイのice-ice感染症部分から細菌を単離したところ、この細菌はカラゲーナンを分解しており、カラゲネース作成の可能性が確認できた。
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