研究課題/領域番号 |
12660187
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
荒川 修 長崎大学, 水産学部, 助教授 (40232037)
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研究分担者 |
高谷 智裕 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助手 (90304972)
西尾 幸郎 四国大学, 短期大学部・生活科学科, 教授 (00122557)
野口 玉雄 長崎大学, 水産学部, 教授 (40011910)
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キーワード | ドウモイ酸 / 養殖 / フグ / 寄生虫 / えら虫 / はだ虫 / ヘテロボツリウム / カリグス |
研究概要 |
鹿児島県産の紅藻ハナヤナギから抽出したドウモイ酸(DA)を用い、トラフグ養殖で問題となる寄生虫のうち、本年度はえら虫Heterobothrium tetrodonis(以下へテロ)およびはだ虫Pseudocaligsu fugu(以下カリグス)を対象として、薬浴による駆除効果を調べた。 まず、ヘテロの仔虫6個体を寄生部位(鰓)ごと摘出し、2個体をDA無添加海水、4個体をDA100ppm添加海水に浸漬したところ、前者では2個体とも4時間以上鰓に留まって生存したのに対し、後者では30分以内に全個体が鰓から離脱し、4時間以内にすべて死亡した。次に、カリグスが寄生した養殖トラフグにつき、DA、ホルマリン、およびマリンサワー各250ppm添加海水を用い、5分間の薬浴試験を行ったところ、フグ体表からのカリグスの離脱率Rはそれぞれ80.0、6.7、46.7%で、DAの効果が最も高かった。一方、25〜100%淡水添加海水浴を20分間行ってみると、100%淡水のRが56.5%と他(6.3〜7.7%)を凌駕した。そこで、各薬剤を100ppmの濃度で淡水に添加し、20分間の薬浴を行ったところ、DA、ホルマリン、マリンサワーのRはそれぞれ100、70.8、66.7%で、再びDAの優位性が確認された。さらに、DA10および50ppm添加淡水では10〜20分間の薬浴で90%以上、5ppmでも20分間で71%のカリグスが離脱した。他方、DA100ppm添加淡水で20分間薬浴したフグにつき、血液検査を行ったところ、Hb、Htおよび赤血球数はいずれも対照魚と大差なく正常値であった。さらに、各組織のDA含量を測定したところ、いずれも2μg/g未満で、薬浴後のDA残留は認められなかった。 以上、DAは養殖フグ寄生虫、ヘテロおよびカリグスの駆除に極めて効果的で、かつ安全な薬剤であることが示された。
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